備忘録ですよ。

20代。留学中にブログを始め、思いついたように小さな想いをつぶやきます。

カフカ『変身』を読んで

カフカの名作『変身』を読みました。

 

文庫版で100ページ弱しかなく、30分程で読み終わりました。

以下、ネタバレを含み、感じたことをまとめてみます。

 

?がいっぱい

正直、読みながらも?で頭はいっぱいでした。

小説って全てを理解することは出来ませんが、当たり前のように主人公が虫に変身し、家族も当たり前のように受け入れていることに驚きました(正確に言うと、家族も受け入れてはいませんが、少なくとも「人間が虫に変身する」ことに対する違和感はないようでした)。

 

しかし、家族は虫を気持ち悪がります。

 

カフカにとって何が「当たり前」で何が「当たり前でない」のか。

考えさせられました。

 

世の中の理不尽さ

一番感じたことです。

主人公のグレーゴルは一家の中でも息子ですが大黒柱で、グレーゴルが働けなくなることは家族にとって大打撃でした。

妹のためにお金も貯めていて、目標のある青年。

そんなグレーゴルが突然虫になって、働けなくなり、果てには家族からも見放されてしまいます。

 

努力し、目標もある人が突然人権を奪われてしまうのです。

 

こんな恐ろしいことはないし、憤りも覚えました。

 

私は、今グレーゴルみたいにしっかりしていません。

それなら、グレーゴルこそ人として生きるべきだと思ったのです。

 

「努力は報われる」とどこかで信じていますが、この小説を読むとやりきれない気持ちになります。

不幸には不幸が重なるし、世の中そんな上手く出来ていない。そのことを突き付けられたように思います。

 

一言で言うと、ぞっとする本。

 

自分がもしある日目覚めたら虫になっていたら。

家族は、友達は、恋人は。

どんな反応をするのでしょうか。

生き続けられるのでしょうか。

 

人の虫に対する見方を再認識させてくれましたし、「人間とはなにか」という本質的な問いも投げかけているように思います。

 

最近、AIやロボットはバズワードです。

人間の定義が昔以上に求められています。

 

カフカは、私たちよりずっと前から「人間」について考えていたのかもしれません。