夏目漱石『坊ちゃん』を読んで
とてもお久しぶりです。ちょうど1年ぶり!
最近私は日本・世界の古典を読んでみようキャンペーンをしております。理由は、変わりゆく時代で、「変わるもの」「変わらないもの」をつかめる人になりたいから。
テクノロジーの台頭で、変化が激しい時代ですが、本質的なことは変わりません。そして、その本質は先人たちが考え、残し続けているはず。ちっぽけな私の頭で考えるのではなく、彼らから学びたいと思ったのです。
そこで、初めの一冊は小学校の時読んでちんぷんかんぷんだった夏目漱石の『坊ちゃん』。
以下ネタバレにになりますので、お気をつけ下さい。
『坊ちゃん』を読んで感じたことは、小さな胸の痛みでした。少しチクり。
主人公は、とても不器用で、彼の生き方は私には到底できません(だって増給とか断れない)。
でも、それでもすごく誠実だった。
不器用だけど、近代の人間が持ってしまった変なプライドがないのです。
私が胸がちくっとしたのは、「赤シャツ」に似ているから。大学に行って、欧米にかぶれて、世間体を気にするけど、うまくしがらみをかわしながら生きていく。
そんな狡賢さが自分にそっくりでした。
なぜ、この本が語り継がれているのか。
時代の過渡期に、誰よりも西洋を知り、「赤シャツ」の立場である漱石からの警告なのかなと思いました。
人生、それでいいのか、と。
正しいこと、えらくなることが全てじゃない。
身近な誰かを大切にすること、自分の信念を貫くこと。
それが頭でっかちの私(たち)は、出来ているのか、と。
もしかしたら漱石自身が、自分に言い聞かせていたのかもしれません。
最近天狗になりがちだった私には、ぴったりな本でした。
正直、なぜこの本がこんなにも語り継がれているのか、明確に分かった訳ではありません。
それでも、胸の痛みから学ぶことはたくさんありました。