全米初公開!?『君の名は』を観てきた
今日、友人に誘われて全米で劇場での公開が初!?とウワサの(違ったらすみません)『君の名は』を観てきました。
実は私この大ヒット映画観たことがなかったんです。
公開されたころは忙しくて忙しくて、留学に旅立ってしまいタイミングを逃してしまっていました。
私は以前から新海誠さんの作品が好きで、『言の葉の庭』を観た後は憂鬱だった梅雨を楽しめるようになり、新宿御苑にも実際に足を運んだり。
一つ一つの言葉のセンスや絵の美しさが素敵ですよね。
ということで『君の名は』を映画館で観たい!とうひそかな想いをアメリカで達成することが出来ました!
感想としては。
名声を知っていたためかなり期待してみましたが、それでも期待を上回るものでした。
笑いあり、感動あり、恋愛あり、友情あり、家族あり、シリアスあり
要素としてはかなり盛り込まれています。
もう一度みたいと思わせる映画でした。
私のこの感動を表したいのも山々ですが、今回感じた2つについて書きたいと思います。
一つは、「メディア」としての『君の名』
今回日本のポップカルチャーやメディアの影響の授業を履修している関係で、どうしてもそういう目線で映画を見てしまいます。(そういう意味で純粋に映画を楽しむことが出来なかったのが残念ですが、、、)
そこで感じたのは、「アニメ」という不思議さ。
この作品、というか新海誠さんの作品は風景描写がめちゃくちゃリアルです。iPhoneのシーンや紅葉なんてまるで本物かと錯覚するほど。
でも、人物だけはアニメ。
違和感もなく、馴染んでいる。
現実に彼らのような顔をした人なんていないのに、当たり前かのように受け入れることができるのは日本のもつ「無臭性」ならではなのかなと。
また、女性らしさの強調も感じました。
日本のアニメではよく女性が「オブジェクト化」されます。女性の胸を強調したり、随所で女性のスカートの中が見えるシーンがあったり。
観客を喜ばせるためのテクニックとでもいうのでしょうか。
それが『君の名は』でも例外なく使われていて、これは売れるアニメでは大事なことなんだと実感しました。(ちなみにジブリではこういうことはあまり見られない気がします)
そして2つ目は、完全に個人的なことですが東京に対するノスタルジーを感じたこと。
先程も言ったように、描写がとてもリアル。
新宿駅や電車なんてまさにそのものでめちゃくちゃ懐かしくなりました。
私が毎日歩いていた場所。
毎日見ていた風景。
毎日聴いていた音。
毎日生きていた世界。
それが、ここにありました。
留学していなかったら自分は今もきっとあの場所にいたはず。
そして、満員電車に揺られて大学まで行って、みんなとお昼を食べに行ったりカフェに行ったりおしゃべりしたり。ためにパソコンをいじって、たくさん寝て、そろそろ就活意識したり。
そんな一見きらきらしたような、そんな世界に自分はいたんだなと。
『君の名は』では岐阜と東京が出てきて田舎と都会のコントラストも描かれています。
岐阜はまるで今の私のいるサンタバーバラのよう。
交通は不便だしお店も微妙だしとっても不便。でも自然が豊か。
対してなんでもあるオシャレな東京。でも忙しない。
私はそんな忙しない東京が好きではありませんでした。
でも、この映画を見てどうしようもないノスタルジーの感覚に襲われたのです。
涙が思わずこぼれてしまうほど。
そこには私の人生があって。
東京で生きてきた私の故郷はやっぱり東京なんだなと。
嫌だと思っても間違いなく私は東京に親しみを抱いていて。
慣れ親しんだ街。
初めて、東京が恋しいと思いました。
今までは早く東京からでたかったけれど、自分の帰属意識は東京なんだと気付きました。
そして同時に思ったこと。
「帰りたくない」
とっても矛盾してますが(笑)、帰りたくないと思いました、東京に。
帰ったらまたあの忙しない日々。
この日常の歯車にに巻き込まれる。
きらきらしたものに取り囲まれて自分を失ってしまいそう。
忙しない街にもう一度帰ると思うとぞっとする。
東京が懐かしいけれど、でも同時に帰りたくない。
こちらではのびのびしている分、東京という枠に収まりたくない、そんな風に思いました。
東京は日本の象徴でもあって。
そこにはある一つの「成功への道」がはびこっています。
東京という街、というか東京にある価値観にもう収まりたくない、東京に戻ったらこっちで広がった価値観がまた小さくなるんじゃないか、そんな恐怖にも襲われたのです。
私はここ、サンタバーバラが好き。
でも、東京もやっぱり懐かしい。
どちらが良い悪いではなくて、そこには大きな違いが存在すること。
そして、ずっと好きじゃなかった東京が自分のアイデンティティの一部であること。
そんなことを自覚しました。
とにかく、とてもとても素敵な映画でした。
たくさんの学びと気づきと感情の変化と。
刺激をありがとう。
また、頑張ります。